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【相続】兄弟間の相続トラブルはなぜ起きる?予防のカギは”見える化”

兄弟間の相続トラブルはなぜ起きる?

予防のカギは「見える化


■ 相続トラブル、実は“兄弟姉妹”が最も多い?

相続の相談でよく耳にするのが
「仲の良かった兄弟が、相続をきっかけに絶縁してしまった」という話。

実際、裁判所の統計でも
遺産分割事件の約7割が相続人同士(特に兄弟姉妹間)での争いです。


■ 何が兄弟間トラブルを引き起こすのか?

主な原因は以下の3つです。


① 遺産の内容や分け方が不明瞭

  • 不動産や預貯金の金額がはっきりしない

  • 「あの土地は長男が継ぐもの」と勝手な思い込み

  • 話し合いが感情論に発展


② 「生前贈与」に対する不公平感

  • 「兄は家を建てるとき援助してもらっていた」

  • 「介護は私が一人でしてきたのに…」
    こうした**“見えない相続”**が不満の種に。


③ 遺言書がない・あっても内容が曖昧

  • 手書きの遺言書で形式不備

  • 特定の相続人に偏った内容で納得できない


■ トラブルを防ぐカギは「見える化


✅ 財産の見える化

  • 不動産・預金・保険・株などの資産目録を作成

  • 借金やローンなどの負債も一覧に
    → 家族で「正確な情報を共有」することが大前提です


✅ 想いの見える化(遺言書)

  • 自筆よりも確実なのは公正証書遺言

  • 「なぜこのように分けたのか」背景を明記することで納得感が生まれます


✅ 感謝や役割の見える化

  • 特定の相続人が介護・金銭援助・同居などの役割を担っていた場合
    → その事実を「見える形」で残しておくことが重要です(付言事項・家族信託なども有効)


■ 事例紹介:母の介護と長男の家購入援助で揉めた三兄弟

三兄弟の相続で、次男と三男は
「長男は家を建てるときに500万円支援されていた」と不満。

母の遺産は不動産とわずかな預金。遺言もなし。
結果、話し合いは決裂し、家庭裁判所に…。

もしも「家の援助は生前贈与として記録し、長男の相続分は少なめに」と遺言で調整されていれば、争いは避けられた可能性が高いのです。


■ まとめ:「情報」「想い」「経緯」を“見える形”で残す

相続トラブルの多くは、「不透明さ」が原因。
資産、想い、経緯を見える形にしておくことが、最大の予防策です。


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